仮想通貨のように短期間で儲かる人がいると「投機!バブル!」という人がいます。さんざん技術云々と言っていたのに、暴落すれば「仮想通貨なんて投機なんだから」と安心を得ようとする人もいます。
あなたは疑問に思いませんか?
「投機って悪いことなの?」
「仮想通貨は投機」と言われるけどそれって良いことじゃないの?
「投機」~短期の値動き(トレンド)を利用して儲けようとする行為
どこぞの誰かが「仮想通貨が投機的でバブルだ!」って批判するのは日常茶飯事ですよね。仮想通貨が投機って言われ過ぎて「仮想通貨を買うこと=悪いことをしているみたい・・」
「仮想通貨=投機」って何が問題なんだろう・・?と深く考えてみたいと思います。弱気相場で仮想通貨に対する姿勢を見失った人は是非読んでくださいね!
なぜ仮想通貨は投機と言われるのか?
仮想通貨が投機と言われる理由はハッキリとしています。
「価値が良くわからないけど金儲け出来るから」
単純明快ですが、仮想通貨が投機と言われる理由はコレです。数式にするとこうなります~!
① 価値が分からない
+
② 金儲けしている人がいる
↓
投機!
価値が良くわからない。価値がない。というのは新しく誕生した製品や技術ではお決まりの文句です。そのよく分からないもので金儲けしている人が出現すれば、世間の人々は「投機」と表現します。
つまり、投機と言われるのは「現状は価値があるのか分からないモノ」なのです。
価値がないものを回転させて金儲けするのは詐欺と言います。仮想通貨は価値の裏付けがないと言われますが「価値の裏付けがない=価値がない」ではないので注意!
「現状は」というのは重要です。10年先には価値があるとみんなから認めれているかもしれません。逆を言えば「少なからず将来性がある」とも言えると私は考えていますよ!
将来性があるって言ってもピンとこない。と思うかもしれません。そこで、過去に投機と言われたけど今はなくてはならない商品・サービスを見ていきましょう。次に紹介するものは過去に投機対象として有名だったものです。”投機と将来性” がイメージできるかもしれません!
過去に投機(バブル)と言われたモノたち
仮想通貨以外にもたくさんのものが投機対象と言われてきたました。そこでどんなものが投機と言われていたのかを振り返ってみたいと思います。皆さんが普段から使っているものも昔は投機と言われていたんですよ!
世界初の先物取引になった「お米」
お米は最近食べていないな・・・。「お米=食べるもの」と皆さんは意識するかもしれませんね。しかし、江戸時代は「お米=お金」という側面もありました。
ポイント
昔は、税金としてお米を納めたり、給料がお米で支払われたりとお米がお金の機能を果たす場面がたくさんありました。お米はお金の機能も果たしますが、一方で江戸時代には通貨が既に存在しており、貨幣経済です。
なので給料をお米で貰っても、通貨(例えば小判)に両替しないと生活できません。いちいち米俵(こめだわら)を持ち歩いて物を買ったりなんてしないですよね??ここで問題が広がります。
はてな
たくさんの人がお米を両替しだすとお米の価値が下落します。逆に不作になるとお米の価格が急騰。お米と通貨(小判)の為替レートが超乱高下するんです。これって現在の仮想通貨と同じです。価格が乱高下しすぎて使えない・・・。お米の価値が乱高下すると生活に支障が出ちゃう・・。
そこで登場するのが「先物市場」です。1730年に徳川吉宗がお米の先物取引取引所を設立(江戸幕府公認)して、お米の先物取引 (帳合米(ちょうあいまい)取引) が行われるようになりました。
もともと「お米相場」は投機熱が激しいので禁止されていましたが、何度禁止しても復活するので、1730年に徳川吉宗が容認したという経緯があります。今から300年前の話ですが、現在の仮想通貨市場とほとんど同じですね・・・。


先物取引とは?
「先」と言っているので分かりやすいかもしれません。
ポイント
例えば、来年の今頃にお米10㎏を1万円で買います。という約束をすることを先物取引と言います。
先物取引は「将来行う取引を約束する」ものです。なぜ先物取引が始まると価格の乱高下が収まるのでしょうか?
お米の価格乱高下が収まる理由
徳川吉宗が先物取引を容認した狙いはこれです!
先物取引で相場をコントロールする
先物取引は、いずれ現在の取引価格に影響を及ぼすようになります。
例えば、お米10㎏を来年1万円で買う約束(先物取引)がたくさん成立したとします。現在のお米価格は10㎏で5千円です。すると、先物取引で1万円という値段が沢山出てきたんだから、現在の5千円という値段は安すぎじゃないか・・?とみんなが疑問を持つようになり、お米価格は少しずつ先物取引で登場する1万円という値段に近づき高騰します。
徳川吉宗は自分の息の根がかかった人間に先物取引をさせました。幕府にとって都合のよいようにお米価格が安定するように先物取引を行わせていたと言われています。
こうして先物取引によって現在のお米の価格を安定させようとしたのです。お米の先物取引は世界的に有名な話で、画期的なシステムだったと言われていますが投機熱も激しく伝説のトレーダーが生まれます。
ローソク足の生みの親「本間宗久」
本間宗久 (ほんまそうきゅう・1724年~1803年)は、チャートで登場する「ローソク足」。仮想通貨トレーダーがよく言う「三尊・逆三尊」などの有名な分析手法を編み出したと言われる伝説のトレーダーです(諸説あり)。
先物取引が誕生した大阪・堂島米取引所で莫大な富を築きました。
このように、新しく市場が形成されて成長すると投機熱が生まれて富を築く人間が登場するという現実も忘れてはいけません。
「鉄道株」のバブル?鉄道狂時代の幕開け
19世紀のイギリスの話です。鉄道が実用化されるようになると鉄道関係の株式会社が乱立して、鉄道関係の株ならなんでも上昇した鉄道バブルが発生します。その後、鉄道バブルはイギリス⇒アメリカ⇒日本という順番で波及していきます。
現在の仮想通貨市場と似ていますよね?仮想通貨のICO・仮想通貨事業を始めると株価が上昇する。そんな出来事が200年前のイギリスでも発生しました。かつて鉄道が「鉄道狂(てつどうきょう)時代」と言われていたのは意外ではありませんか?仮想通貨なら「仮想通貨元年」ですね!
鉄道への投機熱は発展と集約を生み出した
(出典http://www.dtc.umn.edu/~odlyzko/doc/hallucinations.pdf)
ポイント
鉄道は国を全体にレールを敷いて・・と莫大な資金と労力が必要です。しかし、鉄道への投機熱がバブルへ転じたおかげで、たった数十年で一気に鉄道が走るようになります。これはバブルが良い面に働いた例の1つです。
また、投機熱により鉄道会社が乱立すると、赤字が出るような会社は淘汰されていきます。こうして熾烈な競争を勝ち抜いた有力な鉄道会社に集約される形で鉄道がイギリス全体に普及したのです。イギリスの場合はわずか4つの鉄道会社に集約されました。
ポイント
このように投機熱(バブル)は市場参加者を増やして競争相手も増やします。その中で生き残りをかけた熾烈な戦いが生まれて洗礼されていくという側面もあるのではないでしょうか?
IT (ドットコム) バブルでも鉄道と同じことが起きた
2000年代はITバブルに湧き上がっていました。鉄道と同じで「IT」と言っておけば資金調達に困る事はない。難しい専門用語を適当に並べておけば、出資者が現れる。それくらいIT市場は過熱します。
ポイント
わずか1年半でITバブルは崩壊しますが生き残った企業がAmazon・Googleなどの巨大企業です。また、この時期に一気の個人用のパソコンが普及してインターネットの世界が拡大した要因にもなっています。ある意味でITバブルも鉄道狂時代と同じく「淘汰と集約」「一気に普及させる」という良い面も残したと言えます。
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一方で本当に問題のある投機(バブル)もある
世界初のバブルと言われるチューリップバブル。バブルの語源となった南海泡沫事件。住宅ローンを投機の道具としたリーマンショック。
投機が技術の普及と競争をもたらす一方で、本当にどうしようもない投機もあります。どうしようもない投機はバブルがはじけた後に何も残りません。
チューリップバブルは、チューリップの球根が値上がりしてバブルが弾けて何も残りませんでした。
南海泡沫事件は、イギリス政府の借金を肩代わりする会社の株価が投機のおもちゃに。
リーマンショックは、アメリカ金融街の欲望が住宅ローンへ反映されて投機熱が冷めたときには世界的な不況に。
投機がどのような結果を生むかは、ケースバイケースなので注意が必要です!
仮想通貨の投機熱はどんな結果を生み出すか
ここまで投機について3つのポイントがあると話してきました!
① 将来性があったり成長市場だと投機が生まれて金もうけする人が出現する!
② 投機は「淘汰と集約が発生する」「一気に普及する」という側面もある!
③ どうしようもない投機は熱が冷めると何も残らない、または傷を残す!
さて仮想通貨はどうなるのでしょうか?
仮想通貨は①②③のどれに当てはまりますか?
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「仮想通貨は投機」は悪いことじゃない
成長市場に投機はつきものです。
もしかすると仮想通貨が将来普及している可能性もありますし、ないかもしれません。
冒頭でも述べましたが投機と言われるのは「現状は価値があるのか分からないモノ」なのです。少なくとも将来性があるものです。
ポイント
仮想通貨にはテクノロジーがあります。詐欺やどうしようもない投機もありますが、仮想通貨への投機熱は少なくともポジティブなものではないでしょうか?
最終的にどうなるかは5年10年すれば分かると思うので是非、仮想通貨がどうなるのか皆さんの目で確認してください!
というわけで今日は以上!
それでは!