セミリタイアを目指す人にとっての大敵、税金&社会保険料。それ以外でも若い人は「年金なんて払っても無駄じゃん!貰えないんでしょ?」と思っている人は、その考えを改めましょう。年金は、払ったら得するとか損するとか、そういう次元をはるかに超えた有望な投資対象です。その理由をお話しましょう。
年金が無駄どころか最高の投資対象である理由
皆さんは「年金」についてどのくらいご存知でしょうか?「保険料払うと将来お金がもらえる?長生きすれば得?保険料高いから今の若い人は長生きしても損」といったとイメージでしょう。
残念ながら「年金」をそのような捉え方をしているようでは、今後の生活・セミリタイアへの道のりが険しいと言って間違いありません。



そもそも年金とは何なのか?
皆さんの大多数が、年金の保険料を支払っているかと思います。しかし、何に対してお金を払っているのかをちゃんと理解できていますか?
年金の損得を考える前に、まず「年金」とは何なのかをしっかりと理解する事が大切です。
ここでは「年金」を以下のようにまとめます。
決められた期間に、決められた保険料を納付し続ければ、一定の年齢を超えた時から死ぬまで給付を受けられる制度。
こんなの当たり前だよ!と思ったかもしれませんが、年金の特徴から次の2つの事が言えます。
「年金」は”保険”である
年金の掛け金を保険料と言いますが、それは年金=保険だからです (年金は社会保険の1つ!)。


ポイント
「保険」とは将来起こるかもしれないリスクに備えるためのもの!
少しイメージし辛いかもしれませんので、自動車保険を例にとって考えてみましょう。
車を運転する時に自動車保険に加入します。理由は自分が事故を起こすリスクに備えるためです。もし事故を起こして誰かを巻き込んだら、1000万円以上もの賠償金があなたを待っているかもしれません。賠償金1000万円以上を支払えと言われたら、あなたは直ぐに払えますか?
ほとんどの人がお金を用意できないかと思います。つまり、自分が絶対に払えない賠償金を背負った時のリスクに備えて自動車保険に加入しているんです。「保険=リスクに備えて加入する」のイメージができたかと思います。
(1) 年金は「長生きするリスク」に備えて加入している
ここで疑問に思う人がいるかもしれません。自動車保険の場合は「事故を起こすリスク」に備えています。年金は一体どのようなリスクに備えているんでしょうか?
答えは簡単です。年金は「長生きするリスク」に備えるために加入しています。


「長生きするリスク」とは、年齢を重ねて働くことが出来なくなるリスクです。年を取ると次第に体が悪くなり、お金を稼ぐのが困難になります。年を重ねても健康な人もいますが、長生きすればするほど働けなくなる可能性が高まります。これを「長生きするリスク」と考えます。
「長生きのリスク」を一番イメージ出来るのが、介護などで働けなくなるケース。親が介護が必要になり、子どもが休職して(又はほとんど働かずに)介護にあたる。よくニュースで見かける話題ですが、このような状況にある人をインタビューすると結構な確率でこんな発言をします。
「介護をしているせいで収入が少ない。貯金を切り崩しながら親の年金で生活している」
これは「長生きのリスク」を如実に表した例です。長生きすると本人が働けなくなるだけではなく、家族なども働けなくなる場合もあるんです。


ポイント
仮に年金がなかったら収入なし。「長生きをすればするほど」こんな状況に陥る可能性が高まります。そんな時のために=「長生きをするリスク」に備えるために、年金に加入している事を忘れてはいけません。
(2)年金は保険なので「損得勘定」はおかしい
ここまでの話から「年金は得か損か」という話は本質からずれていると理解できます。
例えば先ほどの自動車保険。自動車事故を起こさなかったら「あ~、保険料を払ったのに損した!」なんて言わないですよね?
年金の保険料を払って「老後に損する!払い損だ!」というのは、自動車保険に加入して「事故を起こさないと損する!払い損だ!」と言っているようなものです。
他にも皆さんは国民健康保険に加入しています。「保険料を払っているのに風邪も引かないし、病院も行かない。保険料の払い損だ!」なんて元も子もない話をしませんよね?


「俺は長生きしないから大丈夫。払わない方が得する」
確かにこうした理由はもっともらしく聞こえますが、物事はそう簡単ではありません。
誰が何歳まで生きるのかを科学的に100%的中させることは現状不可能です。もし「俺は早死にする」と言っていたのにも関わらず長生きをした場合、恐らく貯蓄もなく収入がない生活困窮者になるでしょう。日本は衛生面的にも問題が少なく、長生きをするリスクをほとんどの人が背負っています。みんなが背負っているリスクを年金保険という形で分散させて、個々人の将来に備えているんです。
国も収入がない年配の人を永遠と面倒をみるなんて不可能ですし、無収入の人を放置するわけにもいきません。年金は国にも利点がある、ウィンウィンの制度なのです。
年金は「損する・得する」という話ではなく、一人一人が抱えている「長生きをするリスク」に備えており、個人も国にとってもメリットがある制度という事を覚えておきましょう!
「年金」は”投資対象”である
年金を「投資対象」と考える人は少ないかもしれません。しかし、年金ほど優れた保険商品はありません。
FRB(アメリカの連邦準備制度理事会)の議長だったバーナンキさんの最大の資産は「2本の年金保険」と囁かれるほど。
若い人ほど年金の価値が理解し辛いものです。そんな方にもイメージできるように、年金が投資対象として優れている点を二つ紹介します。
(1)年金の保険料は所得控除が受けられる
社会保険料を支払った場合には、その支払った金額について所得控除を受けることができます。これを社会保険料控除といいます。
控除できる金額は、その年に実際に支払った金額又は給与や公的年金から差し引かれた金額の全額です。(国税庁HPより https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1130.htm)
仮に年間で300万円の収入があって、月10万円の年金保険料を収めていたとします。
この場合、300万円ー10万円=290万円が課税所得になります。
所得税が10%くらいだとした場合、290万円×10%=29万円を所得税として納める義務が発生します。
では、年金の保険料を納めずに自分で運用する!という人を考えてみます。
仮に年間で300万円の収入があって、月10万円を個人で投資運用していたとします。
この場合、300万円がそのまま課税所得になります。
所得税が10%くらいだとした場合、300万円×10%=30万円を所得税として納める義務が発生します。
年金の保険料を納めるほうが、個人運用より年間で1万円の得!仮にこれを数十年と続ければ、税金だけで数十万円が節税できます。※あなたの所得税がもっと高ければ優に100万円以上は節税効果を得られます。
(2)生きている限り給付を受け続けられる
そして、年金の最大のメリットがこれです。皆さんに考えてもらいたい事があります。
はてな
老後のために1000万円を貯蓄していた老人(他の収入源なし)と、数百万円貯蓄して年金生活の老人、全ての条件が同じだった場合どちらがより幸せに暮らせると思いますか?
「ある程度貯蓄があり、年金生活をしている老人」の方が幸せに暮らせるでしょう。これは個人的な価値観ではなくちゃんとした根拠があります。
収入はないけど結構な蓄えがあるという老人は、資産が減り続ける状態です。年間に約100万円(月7~8万円)で贅沢とは言わないような生活をしたとしても、1000万円なら10年、2000万円なら20年で底を打ちます。70歳でリタイアをしても80歳~90歳になって明日の生活に困るなんて・・・。
安定的な収入がなく資産が減り続けるというのは精神的に疲弊します。2カ月に一度ちょっとした生活費(年金)が入る事が心にゆとりを与えるのです。投資経験がない人ほどこの精神状態を理解し辛いかもしれません。是非そんな人は、株式などを購入してみてください。購入した株価が下落して資産が目減りする事がどれほど苦痛なのかが理解できます。
私が目指すセミリタイアでは「セミリタイアは貯蓄を崩して生活するのではなく、安定収入(主に不労所得が好まれる)があってこそ成立する」という考えがあります。年金制度は「安定収入を死ぬまで与えてくれる、老後に心のゆとりを与えてくれる」最も優れた投資対象だと言っていいでしょう。(1)(2)のように数字的にも精神的にもメリットのある投資商品は、そうそう見つかりません。
年金がもらえない時は日本が終わる時
ここまで年金のメリットを見てきましたが、たくさんの反論が目に浮かびます。



年金に批判的な人(アンチ年金の人)は「年金の保険料を払っても損する」「年金はオワコン(貰えない)」と口を揃えてい言います。前者は先ほどまで書いたように、損得を超えて多大なメリットがあると筆者は考えていますが、後者はどうでしょうか?
答えは「そんな心配はいらない。なぜなら、年金が給付されない時は年金云々を超えた日本経済が終る時だからです。」
いきなり、この話をしてもイメージし辛いので、国の運営をしている政治家の視点から話を広げましょう。
政治家は「年金の給付を止める」という選択を取れない
皆さんは、国を運営を担う政治家の行動を理解していますか?基本的には選挙に当選するというのが彼らの行動原理なので、それに反する政策は執りません。
注意ポイント
そして、重要なのは選挙に行く人の多くが高齢者です。つまり年金を受給している人・または間もなく年金を受給する人が主要な投票者という構図になっています。
「お金がないので年金の支給を停止します」なんて言ったら、職を失う事は間違いないでしょう。皆さんが政治家ならそんなことをしますか?何としてでも「年金の支給が維持できるように行動する」でしょう。税金を上げたり、お金を擦りまくったり。
年金は政治家の生命線となる制度であるが故に、しぶとく存続し続ける事は間違いないのです。
こうした側面からも年金に加入して保険料を払うメリットがあります (制度自体が何かしらの形で生き残る可能性が高い)。
さて、政治家が年金制度を終わらせるメリットはないため、何とかする可能性が高いことは理解できたと思います。それでも”年金が支給されない”という状況が発生した場合、日本はどういう状況かを考えてみましょう。
年金の給付が止まる時は日本経済の終了を意味する
政治家は「年金の給付を終わらせる・破綻させる」という政策は避けたいですが、それでも年金が支給できなくなるという状況、言うまでもありません。日本経済が破綻(デフォルト)するとか、リーマンショック級の経済危機が日本を震源地として発生するとか、そういうレベルの悲劇が起きている状況です。
仮にそういう経済状況ではないにしても「年金の支給が止まった」という事実で、日本国債の格付けは暴落、日本の株価も暴落。今まで日本というブランド名で維持されてきた信用が崩れ去り、利率が上昇してインフレ(物価上昇)が発生、庶民が生活できる環境は消え去ります。



ここで言いたい事は、年金が貰えない時は、年金の保険料を払っていた人も払っていない人も、多大なる被害を被る・生活がめっちゃ苦しい環境になっているので、年金が貰えるとか貰えないとかそんな事を気にしても意味がない。という話です。
はてな
年金の加入メリットがある一方で、年金が貰えないリスクもあります。しかし、年金が貰えない状況が起こりづらい事。万が一貰えなかった場合は年金どころではない。それなら、加入して保険料を払う方が賢いと思いませんか?
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本当に年金以上に優れた投資対象はないのか?
国の回し者のように「年金のメリット」を解いてきましたが、この記事のタイトル「年金が最高峰の投資対象」なのかを最後に考えたいと思います。
実はこのブログ「仮想通貨でセミリタイアを目指す」という趣旨でやっているんです。


私が仮想通貨でセミリタイアを目指す理由が「現在ある投資・投機対象のもので期待値がメッチャ高いから」です。
私の中では【仮想通貨 >アメリカ株 >日本株】という順番で期待値が違います。
さて、年金はこの中のどの辺に位置すると思いますか?
【年金>仮想通貨 >アメリカ株 >日本株】こうなります。
ポイント
今後5~10年で仮想通貨関連の市場が爆発的に拡大することは間違いありません。私が仮想通貨の期待値が高いと考えている大きなポイントです。
しかし、その先は投資対象としてのうま味があるのでしょうか?答えは不明です。その時々で成長産業や成長市場は異なります。
過去に儲かるものといえば【現金預金 ⇒ 証券や株式 ⇒ 仮想通貨】と流れてきていますが、年金制度はこの数十年間のすべての期間で存在し続けています。
こんな長い期間で安定的にリターンが維持されている投資商品(保険商品)がありますか?
全ての投資対象に言えることですが、投資は自己責任ですし、100%はありません。しっかりと自分で情報を集めて考えて行動しましょう!
仮想通貨について知りたい人はこちらの記事を読んでみてください!
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というわけで今日は以上!
それでは!