さて、ビットコインはバブルではないとか色々と書いている一方で、ビットコインは既に限界を迎えています。ビットコインの限界とは「送金が遅い!」とか色々です!今回はこの問題の原点である「PoW(プルーフ・オブ・ワークス)」について考えてみます!(2017年12月24日の記事再稿)
意外と理解されていない?「PoW(プルーフ・オブ・ワークス)」
そもそも「PoW(プルーフ・オブ・ワークス)」って何?って感じですよね!私も最初はそうでした。
ポイント
「PoW(プルーフ・オブ・ワークス)」は、ビットコインの「ブロックチェーン技術」を成立させる上で、超重要!なのシステムです!
今後のビットコインや他の仮想通貨の生き残りを考えた場合、超重要なシステムなので絶対に知っておくべき!その前に「ブロックチェーン」についておさらいしておきましょう。
「ブロックチェーン」と「マイニング(採掘)」
まずは、「ブロックチェーン」から簡単におさらいです!
取引の記録を箱(ブロック)にポイっと入れて「承認」!そして、情報が入った箱(ブロック)どうしがネットワーク上で強く連携(まるでチェーンで結びついているように)している!お互いに、箱の情報が変(不正)じゃないのかを監視しあう事で、箱の中の情報が信憑性を得られる!
【重要】そして、取引記録を「承認」するには、マイニング(採掘)と呼ばれる作業が必要になります。
ブロックチェーン上に記録を残す事を「承認」するために、難解な数式を解く事が必要でした。その時に(数式を解いて取引記録を「承認」していくと) 報酬が貰える(=マイニング)って話です。マイニング(採掘)にスーパーコンピュータが必要になるのは「数式を解いて承認を行う」からですよ!
【まとめ】そして、マイニングの過程で「数式を解いて、みんなで取引を承認していく」システムを「PoW (プルーフ・オブ・ワークス) 」と呼びます!
現在、PoW(プルーフ・オブワークス) で一番問題視されているのが、マイニングの過程で発生する「数式を解いて取引記録を承認する」という点です!
「数式を解いて取引を承認する」がもう限界を迎える?
「PoW(プルーフ・オブ・ワークス)」は現在、大きな、問題を抱えています!それは「取引記録を承認するために、色々なコストが掛かり過ぎる事」です。
PoWでかかるコスト!
① 数式が難しくなりすぎて高性能なPCが必要
② そのPCを動かすのにメッチャ電気代がかかる
③ コスト掛かり過ぎ!金かかるし誰も承認しない
①ですが、数式の難易度がどんどん上がっていくようになっています!なので「取引記録を承認」する事がどんどん難しくなっています。
②はその影響で電気代が掛かるという意味です。すでにマイニング関係の電力消費量が拡大し続けており問題視されています。一般的な意見としては「こんな事でエネルギーを浪費していいのか!」という主張です。その通りだと思います(-""-)。
莫大な電力がないと維持できないシステムなんて、結構な欠陥システムだと思います。
その結果が③です。一般人は完全にマイニングできなくなりますし、強力な団体や企業がマイニングを独占的に行うことになります。
マイニングが独占されると発生する「51%アタック問題」
マイニングが独占されると大問題が発生します!それは、不正が可能になるというものです!
一応ですが、マイニングのを行う速度が早い人たちが沢山集まっていると不正が可能になります!(51%アタック問題)
厳密にいうと、全ネットワーク上でマイニングの処理速度が51%以上になれば不正が出来るというものです。情報を改ざんした箱(ブロック)を作って、その団体が承認してしまえばいいわけです。
PoW(プルーフ・オブ・ワークス)では、こうした不正を発生させないために、全く関係ない人たちで、競争的に数式を解かせて承認作業を行わせています。しかし、上記の状態になると、このシステムが破綻してしまう。それが51%アタック問題です。
2013年に一度だけこの51%を超えそうになった団体があり、ビットコイン価格が下落しました。
さて、次第にマイニング(数式)の難易度が高まるとコストがかかるという話でしたが、その結果マイニングを行う人々の行動が変わるというのが次の問題です。
PoW(プルーフ・オブ・ワークス)はマイナーの影響を受けすぎる
マイニングのコストが掛かり過ぎるとどうなるでしょうか?
マイニングを行う人々(マイナー)は報酬が減ります。
この時、別のPoW(プルーフ・オブ・ワークス)システムを持つ仮想通貨が現れるたらどうでしょう。そして、その別の通貨は結構価値があります。マイニングのコストも安い (←ビットコインキャッシュなど)。
ポイント
ビットコインのマイニングがコストが掛かり過ぎるとマイニングが行われなくなる。又は他の通貨への乗り換えが発生します。すると未承認の記録が沢山たまっていき「送金遅延」が発生。こうして、私たちが普段問題にしている事態につながります。
元々マイナーは報酬が目当てです。儲からないという理由で承認が行われないと完全に機能しなくなる恐れがあり、PoW(プルーフ・オブ・ワークス)を持つビットコインは色々な面でマイナーに影響されてしまうわけです。
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この問題を解決するのは「PoS(プルーフ・オブ・ステーク)」?
PoW(プルーフ・オブ・ワークス)が駄目ならどんなシステムがいいんだ!と感じますが、その答えの一つがPoS(プルーフ・オブ・ステーク)です。
「PoS(プルーフ・オブ・ステーク)」では「取引記録を承認」するために、その仮想通貨をたくさん持っている人が優先的に処理できる仕組みになっています!そして、難しい数式などはなく高性能PCもいらないし、電気代も全然かからない!
ポイント
「たくさん持っている人が簡単に不正出来るんじゃないのか」という疑問が浮かぶかもしれません。
たくさん持っている人が不正をしたらその仮想通貨の価値は暴落します。するとたくさん持っている人は大損となるので「普通は不正なんかはしない」と言われています。(でも人間なんて何考えているのかわからないですから怪しいですよね)
イーサリアム(ETH)は間もなく、PoWからPoS(プルーフ・オブ・ステーク)へと移行する予定になっています!そうすれば、イーサリアムは、かなりエコな通貨になるかもしれません。
しかし、「PoS(プルーフ・オブ・ステーク)」にも問題点が当然あります。
PoSの問題点!
① 沢山の通貨が保有されっぱなしになる!
② 通貨なのに流動性が低下!
第3のシステム、PoI(プルーフ・オブ・インポータンス)
私はネム(NEM)を推しているので、念のためPoI (プルーフ・オブ・インポータンス)についても軽く触れておきますね!
ネム(NEM)は「PoW」「PoS」でもない方式で「取引記録の承認」を行っています!それが「PoI (プルーフ・オブ・インポータンス)」です。
「PoS」のように後発のシステムです。「PoS」では、その仮想通貨の保有量により「取引記録の承認」する優先度が変わりましたが、「PoI」では「その仮想通貨を使ったりして、その仮想通貨への貢献度?が高い人」が「承認作業」を行えます。(ネムの場合、これを「ハーヴェスト」と呼んでいます。)
よくネム(NEM)が「富の再分配が~」という話が言われますが、たくさん保有する必要も高性能なPCを持つ必要もないので、ある程度の人が「承認作業」を行って報酬を得られる!という点から言われています。
なので、通貨を大量に保有しっぱなしという事は起こりづらくなります。
おまけですが、PoC(プルーフ・オブ・コンセンサス)というのもあります。これはリップル(RXP)が採用している方式で、「承認」する人が決まっています。なのでがっつり中央集権型です。
今回は、自由経済的に使える仮想通貨の話をしているので置いておきます。
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「PoW」vs「PoS」vs「PoI」vs「??」
さて、どれがいいんだろう?って思いますが、現状はどれも「うーん・・・」って感じです。
そもそも「PoW」でなければ、仮想通貨(ビットコイン)は発展しなかったでしょう。「PoW」がどの程度まで有益なのかは分かりません。
ある程度、仮想通貨が普及し始めている事を考えると、新システム(アルゴリズム)が必要にるのも事実です。それが今のタイミングか、2018年中に引き起るのか・・?それとも2019年?というのは分かりません。
ただし、ブロックチェーンを基盤にした仮想通貨は必ずこの問題にぶち当たります。そして、必ず一定の方向性を生み出さないといけません。そうではないと実用化ができません。
なので2018年以降、その仮想通貨が、どんな「承認システム(Po〇=プルーフ・オブ~)」を持っているのかは重要です!
ちなみに、こうした「どうやって取引記録を承認するか」を決めるシステムの事を「合意形成アルゴリズム」と言います。
難しいのでスルーで大丈夫です。私はこの記事内で「取引記録を承認」という言葉で統一してきたのですが、厳密には「ブロック作成の権限が与えられる」と言ったほうがよかったかもしれません。ただ、詳しく書くとわけわからなくなるので上の言葉で統一しました<(_ _)>
段々と仮想通貨について知ってきたのならば、今度は「より実用化されるシステムは何だろうか?」と考えながら投資をするのも楽しいです!
ぜひ来年以降は、こうした細かいところも注意して確認してみてください!自分がお金をかけて購入しているテクノロジーが、どんなポテンシャルを秘めているのか・・要チェックです!
今日は以上!
それでは!